ロカベンって何?

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企業の経営状況を知る指標やフレームワークにはいろいろある。ロカベンとはその一つである。
私がMBAを取得した時全盛だったのが、バランスドスコアカード(BSC)という分析方法。 これは単に財務諸表の分析のみならず、企業活動の重要成功要因を顧客、教育、業務プロセスとわけて見ていく手法。

バブル崩壊以降低迷をつづけた日本、金融機関の経営悪化に対してその融資先の分類(貸し渋りにつながっていた)には長らく財務格付による分類がされていましたが、これが最近の2019年に廃止となり、財務のみならず人的資源やその会社独自のノウハウや企業活動の優位性まで総合的に評価する方法に変わってきました。

その評価の方法が中小企業庁がすすめるこのロカベン(ローカルベンチマーク)で、財務諸表には表面上現れない企業の経営資源を一覧にして見える化したもの。それを知的資産と言っているのでちょっと分かりにくいが、その知的資産とは、知的所有権のみならずの企業ブランド、営業ノウハウ、組織力や経営理念、顧客と営業の人脈まで総合的に評価したもので、金融機関、支援機関の対地域企業、経営支援の指標・手法として策定されたもの。

いわば日本版BSCである。

このロカベン、きわめてシンプルに作られている。
シートとしては3枚構成、財務指標は6つだけ、すなわち

売上増加率、営業利益率、労働生産性、EBITDA有利子負債率、営業運転資本回転期間、自己資本比率。これで1枚目

それに加えてサプライチェーンの段階ごとの特徴と差別化ポイントを一覧にしたシート、これで2枚目

そしてステークホルダーそれぞれの立場からの決算に現れない強み弱みを、経営者、事業内容、環境やステークホルダー、内部管理体制の4つの視点から記述し、現状とあるべき将来像、そしてそのギャップをどうやって解決するかのPDCAまで書く。これで3枚目

シンプルだけど上手く一眼で企業の特徴がわかるようになっている。
シンプルなのは経営学の玄人だけでない、広く社内外の目で作っていくというコンセプトからではなかろうか?

ただ、この数字にできないものは評価がどうしても自己評価になってしまい客観性に欠けるきらいがある。2020年8月SEC(米国証券取引委員会)がこういった人的資本の情報開示を義務付け、またISOでもISO30414という規格が制定されて、人的資本の状況の定量化が図られて、ロカベンの世界も客観化、定量化が図られていくと思われます。

日本版BSCであるロカベンが出てきた背景には、財務格付一辺倒からの脱却と同時に、少子高齢化で中小企業の後継者難による廃業による影響をできるだけ少なくするため、第三者への事業承継をより多く進めていくためのデューデリジェンスを容易にする狙いもあると思われる。

行政書士の独占業務の一つに「官公署に提出する事実証明に関する書類の作成」があり当事務所は銀行出身MBAホルダーとして、このローカルベンチマーク作成支援に対応しております。
本来は当事者が作成するこのロカベンを、より客観的、精緻かつ整合性のあるものに作り上げます。

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