今日、特定技能という在留資格の外国人に永住権も付与する流れというニュースが流れました。
この特定技能という在留資格、悪名高い実質奴隷労働のような技能実習生と同様の単純労働者を受け入れる在留資格で、従来は建設と造船を除いて5年という制限がありました。業種は農業や漁業、飲食、宿泊、介護といったきついお仕事に就く単純労働者で、母国での学歴も経験も不問という内容のものです。
これに永住権も家族帯同も許そうというのですから、めちゃくちゃな話です。
この資格、転職が認められるという分、技能実習よりはましなんですが、安易に外国人を入れれば低賃金で長時間の都合がよい労働力が確保できるんなんて甘い考えの経営者が多いからこんな動きになるのでしょう。
今日訪問した外食産業の業界団体の事務局幹部の方によりますと、やはり外国人も増やさないと人手は足りない。だけどもはや外国人に来てもらえるかどうかも懸念材料だとのこと。そりゃ日本より給料も待遇も良い国ばかりなのになんで低賃金長時間労働で言葉も通じにくい国にわざわざ外国人が働きに来てくれるのでしょうか?でもそれが理解できない経営者が多いからこんなことになった。
その業界団体のトップ企業の経営者さんはそこまでちゃんと理解してどうしたら外国人に働きに来てもらえるか真剣に考える時期に来てるんだという認識、さすがです。
この特定技能の外国人を受け入れるにも条件があり、
・外国人受け入れの支援計画を策定する必要がありそれが妥当であること。
・外国人と結ぶ雇用契約が適当(日本人と報酬が同等以上)
・5年以内に法令違反がないこと
・外国人が理解できる言語で支援可能なことなどの適切な支援体制を構築できること
など、雇用主(特定技能所属機関)になるには結構きちんとしないといけないので、安易な考えで気軽に受け入れることができるものではありません。
必ず専門家への事前の相談や計画策定をお勧めします。
安く便利な使い捨ての労働力と思わず、ちゃんとした人格を持った人間として外国人に接し、内外差別なく働いていただく。ぐらいの覚悟と準備が必要です。
当事務所は取次申請行政書士としてビザのサポート、社会保険労務士(12/1より)としての労務管理指導をワンストップで提供しておりますが、永住や家族帯同など地域社会への負担も大きいこれら制度の利用については、使い捨ての安く便利な労働力として単純労働外国人を導入しようというお考えの方からの受任は倫理面問題が生じますので消極的方針です。